MUKU-DATA  槐 2m  未乾燥材

時間の合間でまだ手入れの済んでいない材木たちの手入れをする。
樹皮を剥ぎ取り(虫が入り難くするため)、木口をカットして整え、
割れ止めを塗る。
桟済みもしくは木裏側を前にして立て掛け天然乾燥を数年行う為の
前段階の作業である。
これを怠ると数年後に材にする際に、虫に喰われていたり
割れが大き過ぎたり・・
折角の材木がそのまま使えなくなることが多い。
かといって、手入れをしたからといって完璧な材になることはない。
折角丁寧に割れ止めを塗って桟済みして保管していたのに
割れている事も多いし虫にやられてしまう事も多い。
使った時間を考えると、その時間を別な方へ向けた方が
生産効率は上がるのかもしれない。
結果が確約されない地味な作業でもある。

ごく一部の手入れを怠らなかった先輩たちの言葉には共感できることが多い。
今度は材木として次へ繋げてあげるからね、
ちゃんと暴れないで乾いてくださいね。って
愛情を注ぎながら手入れをしているらしい。
外の喧噪とは別に一対一で木と向きあいながらコツコツと地味な作業をする。
大切に扱っている人間を木が見捨てる訳がない。
もし見捨てられたのなら木に対しての愛情が足りなかったんだろう。